2014年9月28日日曜日

御嶽山噴火に関して~御嶽山の驚くべき事実~

 おはようございます。佐野充俊です。久しぶりの更新となります。

 昨日11:53頃長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が噴火しました。
 僕も千葉市の中心部にある「きぼーる」からの帰りの電車の中でTwitterをみていたらTV各社のニュースのアカウントで話題になっていました。その後、家に帰ってTVでニュースの映像を見る限り「水蒸気爆発だ」と思いました。(NHKニュース7に名古屋大学の火山の専門家の方が出演されてましたが、この方も水蒸気爆発とおっしゃっていました。)
 僕は先週まで蔵王山に関するレポートをまとめていた関係で火山の本をたくさん借りていました。そこで御嶽山の情報を調べることにしました。
 『火山に強くなる本』(下鶴大輔著・山と渓谷社2003年刊)によると、御嶽山は35年前の1979年10月28日に割れ目から水蒸気爆発を起こしているそうです。見ている限りでは今回の活動も35年前に類似していると思います。さらに35年前まで噴火したという記録がなく、35年前の噴火が有史以降最初の噴火だそうです。
 また、火山噴火予知連絡会の活火山ランクで御嶽山は「過去100年または過去1万年の活動度が高い火山」ということでBランクとなっています。どうやら活動頻度が長い年月で考えると高いようです。

 僕のPCには「カシミール3D」というソフトが入っています。これはある特定の山が見える範囲の地図、いわゆる「可視マップ」を作るためのソフトです。そこで御嶽山の可視マップを作ることにしました。
図1 御嶽山可視マップ

御嶽山は日本第5位、火山では日本第2位の高さの山です。そのため、見える範囲がとても広いです。
 何とここで驚くべき事実が発覚しました。それは御嶽山が名古屋や岐阜から見えるということなのです!!そこでカシミールの展望ツール「カシバード」を使い、名古屋で一番高い建物「ミッドランドスクエア」の44階展望フロア(地上220m)と岐阜で一番高い建物「岐阜シティ・タワー43」の43階展望室(地上152m)からの展望図を作ってみました。
図2 名古屋ミッドランドスクエアからの展望図

図3 岐阜シティ・タワー43からの展望図

 展望図からも御嶽山が名古屋や岐阜から見えることがわかります。すなわち、御嶽山の火山活動が名古屋や岐阜から見えるということになるのです。

 日本に住むからには火山の知識が不可欠です。しかし、日本の教育は高等学校での地理や地学の教育をないがしろにしようとしています。日本に住むうえで地理や地学(言ってしまえば自然地理学や地球科学)の知識が必要なのに十分な教育がなされないまま、暮らす人が増えてしまうと大変なことになると思います。だからこそ自然地理学の知識は必要だと僕は思います。

 国土地理院地理地殻活動研究センターでは災害が起きた時にその場所の地理院地図のリンクをTwitterに張り付けています。今回の御嶽山噴火に関しても地理院地図のリンクを張り付けています。さらに地理院地図の機能で火山基本図「御岳山」を開けるようになっています。
 御嶽山の地理院地図はこちらです。火山基本図も試してみてくださいね。地理院地図-御嶽山
 
 この投稿で火山に対する興味・関心・知識を深めるきっかけになれば幸いです。
 
 今日も皆様にとって良い一日でありますように。 












 

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