2014年10月8日水曜日

蔵王県境問題が地理院地図で解決?~地理院地図の致命傷的問題~

 おはようございます。佐野充俊です。10月になって最初の更新です。

 今回は地理院地図によって引き起こされる問題を取り上げます。
 地理院地図は右クリックするとクリックしたところの住所が出るのですが、そのところから一番近い住所が表示されるため、県境未定地でも住所が出るという致命傷的問題があります。そのことで6月には富士山の県境問題で大騒ぎになりました。(詳しくはこちらをご参照ください。富士山の、静岡、山梨県境が確定!?-田代博のホームページ)そこで僕は、同じく県境未定地がある蔵王山でやってみました。
 蔵王の県境問題は1960年代から問題になり、一応解決はした話ですが、あくまで解決したのは、上山市と七ヶ宿町の境界部分であり、熊野岳山頂を含む上山市、山形市と蔵王町の境界はいまだ未定のままです。(こちらに詳しいことが書いてあります。蔵王山境界紛争を考える-仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル)
 蔵王の地図を出してみると、やはり一部に県境の空白がありました。
熊野岳山頂の住所を表示させてみると「山形県上山市蔵王」と出ました。県境未定なのにこれはおかしいです。
 しかし、「データに空白がないのであれば、これで県境が引けるのではないか?」と思い、細かな範囲で住所を表示させ続けました。





























 その結果、県境確定地の北端と南端をほぼ一直線につなぐ、県境が引けます。
 しかし、これだと熊野岳山頂が山形県になってしまうので、宮城県が熊野岳山頂の所有権を主張すると県境は登山道に沿う形となります。
 
 私としては、蔵王山は宮城と山形の共有財産であるので、県境問題如きで争ってはならないと思います。実際にこのような動きもあるようです。(蔵王のお釜は共有財産-仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル)
 
 地理院地図は確かに便利ですが、このような問題の種になることも忘れないでください。
 
 今日も皆様にとって良い一日でありますように。

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